都留文科大学学報(第145号)
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文大だより 私たち図工・美術専攻の4年生は、ゼミに所属してからの3年間それぞれのペースで制作活動に励んできました。今年度は新型コロナウイル感染症の影響により、世界中が混乱の渦に巻き込まれた1年であったと感じます。図工・美術教室においても使用禁止になる期間があったり、部屋の使用人数を制限したりするなどの感染症対策が行われました。このような状況の中で、私たち4年生は年度末の卒業制作展に向けて制作活動を進めていく必要がありました。今まで誰も経験したことのないコロナ禍において、今の自分にできることは何かを考えながら、ひとりひとりが自分と向き合い制作を進めた1年となりました。 私は、卒業制作として木でお皿やフォークなどの食器類を作りました。木に興味をもったきっかけは、2年生の時の基礎工芸実技で鉋(かんな)を使ったことです。この時、木を削る感覚に大きな衝撃を感じ、木への思いが芽生えました。3年生の工芸実技でも木で箸やスプーン、お椀などを制作し、手で木を削ったり彫ったりすることの楽しさを感じました。新型コロナウイルが流行し始めた頃に、私は教員採用試験対策や卒業論文、卒業制作に向けての準備などを始めました。世界中が混乱する中で、私自身も先の見えない不安に襲われることが多々あり、勉強が思うように進まない苦難の日々が続きました。そんな時でも、木を削っている間は様々な不安を忘れることができ、ものつくりの素晴らしさを改めて実感したため木を使った卒業制作にすることを決めました。手を動かすことで頭の中が整理され、勉強へのやる気にもつながっていくことに気が付いた私は、制作活動と勉強を同時に進めていきました。 教員採用試験や卒業論文提出などを終えて卒業までの1ヶ月間は、4年間の集大成とするべく全力を注いで制作活動に集中しました。今までの授業で身に付けた技法を使って自分で考えて作ったり先生方に相談して一緒に考えたりして、試行錯誤を繰り返しながらなんとか作品を完成させることができました。このようにして出来上がった作品は、これまでの努力や指導してくださった先生方の期待に応えたいという想いが詰まった唯一無二の作品になったのではないかと感じています。 卒業制作展(会期:令和3年2月2日~2月5日)は、私たち4年生がコロナ禍で葛藤し自分自身を見つめながら完成させた様々な想いが込められた展示となっています。感染症対策として、4年生全員が集まって制作したり展示会場の準備をしたりすることはありませんでしたが、仲間のそれぞれの事情を理解しお互いに補い合いながら準備を進めてきました。コロナ禍においても先生方のご指導の下で卒業制作展を開催することができ、大変嬉しく思います。 この卒業制作展の開催にあたって協力してくださった先生方や関係者の皆様、足を運んでいただいた方々に心から感謝申し上げます。(初等教育学科 図工・美術専攻 秋山 琴未)筆者作品会場風景卒業制作展を振り返って422021年3月10日(水)

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