ブックタイトルフィールド・ノート no.84 Mar.2015

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フィールド・ノート no.84 Mar.2015

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概要

フィールド・ノート no.84 Mar.2015

412月19日、うぐいすホール駐車場付近で撮った連続写真。3分ごとの写真を2時間半ぶん合成した(カメラ「Canon EosKiss X4. F14.ISO3200」)ない。設定を変えながら何枚撮ってみても、だめだった。星空の写真を撮ることは思っていたよりも難しい。悔しさから星空を写真に収めたいという気持ちがさらに強くなった。1月28日に今度こそ星空を撮ろうと、うぐいすホールへ向かった。星空を撮るのにちょうどいい設定にカメラを調整しておいたので、あとはシャッターを開けておく時間を調節するだけだ。前回失敗したときは1分半に設定して暗かったので、今回はもっと多くの光を集められるように、3分間で撮ってみることにした。ちゃんと撮れているのだろうか。不安になりながら待つ。ドキドキして落ち着かないけれど撮っているあいだは確認もできない。気持ちを抑えながら待っていると、シャッターが切れる音がした。写真を見ると、さっきまで空で光っていた星たちが光の線になって現れていた。動きを撮る最初は写真を撮れば目に見えている星たちが、そのまま写るだけだと思っていた。でもじっさいは少し違って、さっきまで自分の目に見えていた星たちよりも写真の星のほうが明らかに多い。そしてそれらが線になって写っている。たった3分間でこんなに動くなんて想像していなかった。撮影しているあいだも星空を眺めていたけれど、動きなんて気づきもしなかった。短い時間での動きは写真に撮ったからこそ気づけたことだった。今まで生きものの写真を多く撮ってきたけれど、その写真は目に見える動きの一瞬を切り取ったものだ。写真はそういうものだと思っていた。今までの私には「動きがわかるように撮る」という感覚がなかったからだろう。私はカメラを構えていると、「なにかの瞬間」をとらえたいと思い、その瞬間に集中しすぎることがある。レンズを通して見ているものがコマ送りのように見えてしまい、撮るものの動きの流れを見ていないのだ。そうやって撮ったものをあとで見ると、写ったものがどんなふうに動いていたのか思い出すことができない。でも写っているものにはその前の状態もその後の状態もある。だからこそ動きの流れを見て、写真でもその「動き」を感じ取れるような写真を撮りたい。星空を撮ったことがきっかけで、写真で撮ることのできる「動き」に気づいたのだ。