ブックタイトルフィールド・ノート no.84 Mar.2015

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フィールド・ノート no.84 Mar.2015

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概要

フィールド・ノート no.84 Mar.2015

取り出した中身の大きさは、単一電池よりひとまわり小さいくらい慎重にはがしていった。ハサミで首を切るとめ、皮を身からはぐときは、破れないように外れてしまう。キビタキの皮はかなり薄いたていないので、ハサミを使わなくても簡単にオバンよりもずっと細く、肉がほとんどついつぎは脚の関節を外す。キビタキの脚はオ傷つけてしまった。は、力加減が難しく、力を入れすぎて身まで胸から尻へ腹を切っていく。初めて扱うメスれを慎重に机の上に置いて、羽をかきわけてと水をすくうときのような形をしていた。そ安定しない。ゴム手袋をした私の両手は自然切に扱わなければ取れてしまいそうなくらい初めてつくった仮はく製は、きれいとは言まうのだと思って、寂しくなった。すぐキビタキの仮はく製づくりが終わってしヤーで乾かす。その作業をしていると、もうキシドールで羽についた血を取り、ドライ一杯きれいにしてやりたいと思いながら、オを恨んでいるようにも見える。それでも、精くなっていて、その無表情さが皮を破いた私目に綿がつめられたキビタキは表情がなも残念だ。てきたので、皮が破れてしまったのはとて破れてしまった。ここまでていねいにやっどかしくなって、強引に引くと皮が大きく張りながらもとに戻していくが、途中でもかないように少しずつ慎重に、内側を引っもとに戻すのだが、ここが難しい。皮を破脳と目玉を取ったら、裏返しにした頭を綿をつめた。目玉をピンセットで引き抜く。目には丸めたに切った。そのあと、脳を綿棒でかき出し、「ごめんなさい!」と言ってから、ひと思い日月型の目が視界に入った。私は心のなかでき、微笑んでいるように見えるキビタキの三南條新(初等教育学科1年)=写真今村遥香(社会学科1年)=文・写真役割を与える、命を吹き込む作業なのだ。の作業なのではなく、死んだ生きものに再びている。仮はく製づくりは、ただつくるだけに「仮はく製」という役割を与えられて生き第二の人生だ。仮はく製のキビタキは、新たキビタキにとっては仮はく製になることがている。でつくったキビタキの仮はく製に愛着を感じは申し訳なく思う。それでも、私は自分の手いがたいものになってしまった。キビタキに綿を巻きつけた竹串を、中身があったところにいれて、切り開いてある部分を縫い合わせていく39