ブックタイトルフィールド・ノート no.84 Mar.2015

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フィールド・ノート no.84 Mar.2015

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フィールド・ノート no.84 Mar.2015

no.84 Mar. 2015 32「レストラン鎌倉」創業以来、ずっと使われてきたメニュー表。今日はなにを食べようか、その楽しみがこのなかにつまっているマスターにお客さんと本音で接する理由をうかがうと、「本音じゃないと相手を認められない気がする」とおっしゃった。自分が感じた通りに、思った通りに接したほうが間違いがない、とカウンターで腕を組み、堂々としたようすで話してくださる。嘘の気持ちを重ねていってもいずれはぽろっと本音が出てきてしまう。その本音が相手を傷付けるものだったら、今まで築いてきた関係は崩れるだろう。だから本音でいたほうが間違いがないと、言葉を選び出すように話してくださる。それは相手と本気で向き合うという意味だ。常連さんは、食事をしに来るということもあるが、マスターと話をしたくて来るというかたも多いように見える。お客さんがときおり漏らす、ちょっとした弱音や、嬉しそうにほおを緩ませて話すうちわの話から、マスターに心を許していることが分かった。マスター自身が本音で話すからこそ安心して、お客さんも本音で話そうと思えるのだろう。「本音で話しています」なんて、口に出して言わなくても自然と伝わるものなのだ。マスターは相手の話に関心をもち、聞こうとしている。そのようすから相手の考えを受け入れることができるかたなのだと感じた。その人柄がお客さんのお店で過ごす時間をいっそう楽しいものにしているのだ。この場所は最後に、マスターにとって常連さんがたはどういう存在なのかうかがうと、「(自分にとって)人間的に成長できるお客さんが常連さんに多いのかな」自分でも気が付かなかったけど、と付け加えて今までを振り返るように話してくださった。「レストラン鎌倉」という場所はマスターにとって、日々の何気ない会話から相手の価値観や考えかたに触れることができる場所なのだろう。そのうちに自分のなかにはなかった新しい捉えかたを見つけたり、自分のなかにもともとあった気持ちを再確認できたりするのだとマスターの言葉から感じられた。そう考えたとき、働く側としてお店に関わっている私も、この場所に訪れたお客さんと新しい価値観を分かち合える一人なのかもしれないと気が付いた。すると、自然とお客さんのもつ考えや言葉を知れることをもっと大切にしたいと考えるようになった。「レストラン鎌倉」住所山梨県都留市上谷5ー9ー15℡0554-45-1131定休日木曜日営業時間11時~22時(21時半オーダーストップ)