ブックタイトルフィールド・ノート no.84 Mar.2015

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フィールド・ノート no.84 Mar.2015

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フィールド・ノート no.84 Mar.2015

道祖神祭は、道路の悪霊を防ぎ、村や旅行者の安全を守る道祖神を祀まつった行事だ。1月14日、15日の小正月前後におこなわれるのが一般的で、梵ぼんてんざお天竿と呼ばれる大きな飾りなどを立てたり、正月飾りやしめ縄を焚くどんど焼きがおこなわれたりする。都留だけの祭りだと思っていたら、地域のかたから全国的にあるものだと教えていただいた。都留では多くの地区で道祖神祭がおこなわれており、その地区ごとに梵天竿も少しずつ変化がある。私はこれまで十日市場のものしか見たことがなかったので、ほかの地区の道祖神祭が気になっていた。そんなおり、ミュージアム都留でおこなわれた道祖神祭に関する講習会でご紹介いただいたのが、今回お話をうかがった武たけい井邦くにお夫さん(72)。小野にお住まいの武井さんは、小野熊野神社の神楽保存会のかたで、道祖神祭についてもお詳しい。小野は上小野、中小野、下小野と地区がわかれており、地区にある組ごとに道祖神祭をおこなう。武井さんがおもに関わっているのは下小野の道祖神祭だ。祭りのはじめかたと終わりかた1月24日、武井さんにミュージアム都留でお話をうかがった。私は、以前から気になっていた道祖神祭の工程について尋ねた。梵天竿が作られるのは1月13日から。祭り当番の人たちが公民館に集まり、色紙で飾りを作る。また、道祖神の祠ほこらを持った組の人たちが家々を回り、ご神物を集めたり手ぬぐいや扇子をもらったりして、それも飾りに使うという。今では扇子も手ぬぐいも減ったそうだが、昔はいろいろなお店が、商売繁盛と宣伝を兼ねて、店名入りの手ぬぐいを出していたそうだ。夜には子どもたちがやってきて梵天竿に飾るための習字をし、みんなでご飯を食べ、お菓子をもらって帰る。14日になると、杉の木を切り出して作られた30メートルある竿に竹を十字に結わえ付け、飾りの付いた素すなわ縄を、竹と竿に菱形に掛けていく。竹の長さや飾りの付けかた、飾りの種類、色も地区ごとに違い、個性がある。十日市場地域の梵天竿は、飾りに三角形の布を縫い合わせたものに綿を詰めたヒイチを多く使うが、下小野は紙の飾りがほとんどで、ヒイチはあまりない。下小野では3件のお宅が今もヒイチを作っているそうだが、昔よりだいぶ減ったのだという。飾りを付け終わると、菅すげのがわ野川沿いの岸に梵天竿の根元を固定し、みんなで縄を引っ張り立てる。立てるまでにだいたい2? 3時間程度かかるそうだ。作りかたや立てかたは昔からほとんど変わらないが、ホームセンターな都留の各地でおこなわれる、小正月の行事に道祖神祭がある。道祖神祭はどうしておこなわれるのか、どういうふうにおこなわれるのか気になった私は、道祖神祭に関わる人にお話をうかがうことにした。祭りを続ける思い?下小野の道祖神祭?