ブックタイトルフィールド・ノート no.83 Dec.2014

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フィールド・ノート no.83 Dec.2014

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フィールド・ノート no.83 Dec.2014

33て逃げた。生きものに近づくことは楽しいことだけではないようだ。得体の知れないものが近づく恐さを初めて経験した。さらに別の日には、違う場所で生きものの気配を感じた。楽山公園からうら山のほうに歩いていたときのことだ。5m?先の木から、今までに見たことのない20㎝くらいの灰色の何かが落ちてきた。それが隣の木に飛び移る。私がカメラを構えようとすると、灰色の生きものは木から地面へするすると降りて、遠くのほうへ消えていってしまった。一瞬だったが、小さくて灰色でふわふわしているように見えたので、もしかしてリスだったのではと思っている。ただ、はっきりと姿を見ることができなかったので、何だったのかわからないままだ。何かの足跡。10月6日の恐い体験をした場所のあたりに、いくつかあったうちのひとつ見つけた楽しみこれまではずっと遊歩道の生きものに注目していたが、道に積もった落ち葉にも目を向けてみた。道幅の狭い崖沿いの道を歩いたとき、足下を見たのがきっかけだ。11月に入って、遊歩道やうら山の地面に落ち葉がたくさん降り積もった。落ち葉の色はさまざまで、主張の強いオレンジ色や赤色のものや、薄い緑色のものもある。この色鮮やかな道を歩くうちに、落ち葉を強く踏みしめて歩くことが好きになっていた。足で落ち葉をすくうように蹴ると、自分の前に落ち葉がひらひらと落ちる。そうやって足で落ち葉をいじくりながら道を歩くと、落ち葉のふかふかした感覚を味わえるのだ。たくさん積もったところだと、一歩踏み出すごとにシャカシャカと落ち葉がこすれる音が聞こえる。その音を聞くと、つい足をとめられなくなってしまう。ふだん見られない生きものを見たくて歩いた遊歩道だったけれど、肝心の生きものを見ることは思うようにいかない。木がたくさん生えていて鳥の声が頻繁に聞こえる。そんな自然のなかなのに、なかなか生きものに会えないなんてと落ち込む。遊歩道を歩けば簡単に生きものを見られると思っていたのは甘い考えだった。そう悩んでいたけれど、落ち葉で遊んでから気が楽になった。それまでは、なんとしても生きものを見てやる、と考えていた。けれど、生きものを見ること以外に楽しみを見つけられて、生きものにこだわらなくてもいい気がしてきた。ひとつのことだけにこだわらないで歩いたほうが、ほかの楽しみに気づくことができ、歩いていて楽しい。落ち葉のほかにはどんな楽しみがあるのだろう。そう思うと、さらに遊歩道を歩きたくなってくる。赤坂から楽山公園にかけての道。ここの落ち葉は黄色や茶色のものが多かった