ブックタイトルフィールド・ノート no.82 Aug.2014

ページ
17/48

このページは フィールド・ノート no.82 Aug.2014 の電子ブックに掲載されている17ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

フィールド・ノート no.82 Aug.2014

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

フィールド・ノート no.82 Aug.2014

17笑顔になってくる。「ハッピー、ラッキー」。菊地わさび園でこの言葉は人を笑顔にさせる合言葉だ。そう思っているのは私だけではなく写真に写るみなさんも同じようだ。写真を撮るときについしてしまいがちな緊張した表情をしている人は誰ひとりとしていない。目尻にしわを寄せ屈託のない笑みを浮かべる人、どこか違う方向を見ながらもはにかんだ顔を見せている人、菊地さんと山室さんはもちろんのこと、すべての人の表情が生きいきとしていた。来た人に喜んでもらえるように、そうおっしゃる菊地さんの願いが写真からひしひしと伝わってくると同時に、その願いはみなさんに届いているのだとわかる。菊地さんのもとに人がつどう気がつけば菊地さんのもとには、たくさんの人がつどっていた。写真に写るかたがたのようにわさび園を訪ねてくる人、山室さんのように仕事をともにしたいと名乗り出る人。菊地さんの人柄に惹かれた人々がわさび園に足を運んでいた。私はそのようすを見て気づいたことがある。それは、思いをもって接するのは集まる側だけではないということだ。思いを寄せられる菊地さんもまた、訪れた人に心を込めて接していたのだ。お客さんにとっていいわさびを、来てくださったかたに喜んでもらえるような時間を、そんな気持ちをいつももっていた。菊地さんのもとに人がつどうのは、決して一方的な親しみからではなかった。訪れる人も菊地さんもお互いに相手への気持ちをもって接するとき菊地わさび園に人がつどっていたのだ。これまでも私は、思いを寄せてもらえるような人に憧れ、どうすればそういう人になれるのだろうと考えていた。けれど考えても、何をすればそういった人に近づけるのかわからなかった。そんなとき菊地さんと出会いわかったことがある。それは、まず私がどんな人に対しても相手を思って接すればよいということ。菊地さんのように、喜んでもらえるようにという気持ちに限らなくていい。笑ってもらえるようにしようでも、親切にしようでも、ときには相手のためを思っていれば怒ることだっていい。慕ってもらおうと考える前に、自分なりに心を込めて相手に接すればいいのだ。わさびのようすを見るおふたり。左が山室さんで、右が菊地さん