ブックタイトルフィールド・ノート no.82 Aug.2014

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フィールド・ノート no.82 Aug.2014

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フィールド・ノート no.82 Aug.2014

11定期的な観察をする附属小学校の子どもたちのなかでそれまでに数人がニホンリスの姿を見たことがありました。けれどもそれも一瞬のことで、食事や移動のようすをじっくりと観察できたわけではないようでした。そこで子どもたちは、クルミやドングリなどを餌台に置く当番を決め、休み時間などに観察し、日記をつけることにしたのです。そうすることで、どの時間にニホンリスが餌台に来ることが多いか分かるようになり定期的な観察ができるようになっていきました。学級では、今日はこんなニホンリスがいた、こんな動きをしていた、いくつクルミをもっていった、などが話題になっていきました。担任の先生によると、それは学年をこえて全校の子どもたちが興味をもつきっかけにもなったようです。もっとほかの動物にも会ってみたい、と関心の対象もしだいに広がっていきました。家庭でもニホンリスやムササビなど身近な野生動物のことが話題になり、家のそばにあったクリなどを餌台の食物として自発的にもってくる子どももいました。観察の成果を分かち合うある子どもは、観察日記に次のように書いていました。「いつもニホンリスを見ていますが、えさだいに来ているのは一匹ではないようです。色も動きもちがうからです」。それを聞いた子どもたちは、みんなで観察しながらその発見が正しいようだ、ということに気づきました。私はふだん一人で観察することを基本にしています。自分のペースで動物の暮らしぶりを見てみたいと考えているからです。けれども、いっしょに観察し、その結果をもちより、また確かめ合うことで、自分の関心だけでは気づかなかった新しい発見や喜びにつながっていきます。それは、新たな関心を子どもたちのなかに呼び覚まし、観察をつづける動機にもなっているのでしょう。附属小学校の森は、全国のどこにでもあるような植林地です。しかし子どもたちが自由に森に出入りし、いっしょに観察しているようすを見ていると、これこそ発見や楽しみを分かち合い自ら学ぶ生きた博物館であり、自然観察の魅力だと思えるのです。餌台に来たニホンリスニホンリスを観察するための橋をつくる