ブックタイトルフィールド・ノート no.81 Jun.2014

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フィールド・ノート no.81 Jun.2014

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概要

フィールド・ノート no.81 Jun.2014

お湯の色に変化はなかったが、香りがこんなにもしているのだから、味も期待できるはず。どんな味がするのかなと期待しながら、口をつけてみる。「しょっぱい!」お茶から香る桜の香りは口のなかいっぱいに広がったが、味は塩辛さしか感じない。これは飲めたものじゃないと、お湯を足して薄めてみるが、やはり桜の味はまったく感じなかった。せっかくできたのだからなんとしてもきちんと味わいたい。さらにお湯を足してしばらく時間を置いてみることにした。 3時間後、再びティーポットを見てみる。すると今度は薄黄緑色がしっかりと出ている。これでも塩辛かったら桜の塩漬けを作るときに塩を入れすぎたということだろう。また来年やるしかないかなと思いつつ、恐るおそる口をつける。まだ塩辛さは残っているが、今度は桜の風味がきちんと感じられる。ほっとする味だ。今度作るときは塩加減に気をつけようと思いながら、桜茶の味と香りを楽しんだ。薄ピンク色の桜の花だが、お茶は黄緑色になった 桜茶を自分で作ってみて、香りが強く出たのには驚いた。ふだん、綺麗だなと桜を眺めることはあっても、香りを楽しむことはなかった。だからこそ、桜の香りってこんな香りだったのかと驚いた。確かに桜の香りは桜餅を食べたときにも感じられるが、まさかその香りが自分で作り出せるものだとは思ってもみなかった。なにか特別な作業をしたわけでもなく、塩とレモン汁を入れてしばらく置いておく。たったそれだけのことで売っているもの以上の香りを味わえた気がした。 図鑑だけでは植物のすべてはわからないとよく言う。だからじっさいに自分の目で見ることで植物のことを知ろうとした。だけど今まで植物を見ることだけに夢中になっていて、それを記録することぐらいしかしてこなかった。桜の香りを桜茶であらためて感じ、見るだけではわからないことが多いことに衝撃を受けた。じっさいに見たことでわかった気でいただけだったのだ。だからこそ、いろんな植物をいろんな角度で感じていきたいと思う。