ブックタイトルフィールド・ノート no.81 Jun.2014

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フィールド・ノート no.81 Jun.2014

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フィールド・ノート no.81 Jun.2014

19西教生(本学非常勤講師)=文・写真です。しかし、野外で生きものを見ていると、関心はどんどん広がっていきます。当然、そのすべてを見ることは困難です。 そんなときは、「あの花を見たい」、「こんな場面を観察したい」という目標を立てます。ある程度集中して観察をしないと、見えてこないものがあります。 私は今年度、サンコウチョウの巣を見つけることと、シモバシラの霜柱を見ることを目標にしました。というのも、これまでに何回も試みているのですが、達成できずにいるからです。サンコウチョウを観察に行ったとき、山梨県では珍しいブッポウソウという鳥がいて驚いたということがありました。また、夏に草刈りをしているとき、偶然、シモバシラの花を見つけたこともあります。何かを発見できたという意味では、これはこれで素晴らしい出来事なのですが、その生きものの本質を見たことにはならないでしょう。 私がサンコウチョウの巣を見つけたいと思うのは、彼らがどういう場所で繁殖をするのか、つまり、サンコウチョウにとって重要な環境の要素を知りたいからです。ある場所にサンコウチョウ動物が生息しているとき、その環境と結びついた何らかの理由があるはずです。食物を捕る空間があったり、水場との距離が妥当だったり、天敵が来たときに逃げ込む場所があったり。巣を作る場所は、とくに慎重に選びます。彼らが大切にしているものは何か、それは巣を取り巻く広がりを観察することで把握できるかもしれません。 シモバシラは冬、茎に氷柱ができることがあります。この氷柱はいろんな形があるようで、名前の由来となったそれを見てみたいのです。どのような条件の場所にシモバシラの霜柱ができるのか、そのイメージを掴めたらと思っています。 目標を決めて観察に出掛けることは、何かを探しつつ、それ以外のものにも関心を向けるということです。待っているだけでは得られないものがあります。ある特定のものを見るために、その周辺にも目を向ける。より深く、生きものを知るための試みとして、今年度はこうした観察の方法を意識的に取り入れていこうと思います。シモバシラの花