ブックタイトルフィールド・ノート no.81 Jun.2014

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フィールド・ノート no.81 Jun.2014

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フィールド・ノート no.81 Jun.2014

17じって開けていました。 これを参考にすれば、ムササビが子を産み育てるかもしれません。そこでこれとほぼ同じサイズの巣箱をつくってみることにしました。出入り口の穴はミカン箱に開けられた穴のサイズと同じにしました。 さっそくこの巣箱を大学のキャンパスの森にかけてみました。ムササビに親しみ、子育てのようすを一人でも多くの人と観察するために、巣箱にカメラを設置し、ホームページで公開することにしました(関連記事が40頁にありますので参考にしてください)。ムササビが巣箱で子育てをする  2013年11月28日に巣箱を設置し、2014年1月16日にその巣箱にムササビが入ったことを確認しました。そして2014年3月12日、2頭の赤ちゃんが生まれたことが確認できました。子どもが生まれると、母親のムササビは、赤ちゃんの体をていねいに何度も舐め、滑空のための皮膜も利用して赤ちゃんを包んでいました。体温の低下を防ぐためでしょうか。 しかし、日に何度か体を舐め、授乳するだけで無駄な干渉はしません。余計なことはせず、的確に赤ちゃんの要求に応え、確実に育てていく。そんな母親のムササビを観察していると、子育てには相手の想いをくみとる能力が必要だとわかります。人間の子育てにも共通することかもしれません。 医師の松田道雄さんは、著書『育児の百科』(岩波書店)のなかで、飼育はふとらせることが目的だが、育児は愛することが目的である、と述べています。 こちらの想いを一方的に押し付けるのではなく、相手の想いをくみとり、必要なときに適切に応える。そしてふだんはじっとそばで見守る。それは私たちと生きものたちとの関わりかたの基本でもあるということを、巣箱で子育てをするムササビからあらためて学んだ気がしました。 今回の経験から私は、大きさや形を変えたさまざまな巣箱をつくる試みを始めました。それぞれの動物が安心できる空間のつくりが理解できれば、その動物にむやみに干渉することなくいい関係をつくる手がかりがえられるのではないか、と考えるからです。巣箱からあたりの世界を見渡すムササビの赤ちゃんムササビが子育てをしたミカン箱を参考に巣箱をつくる。ミカン箱とほぼ同じサイズにした