ブックタイトルフィールド・ノート no.81 Jun.2014

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フィールド・ノート no.81 Jun.2014

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フィールド・ノート no.81 Jun.2014

no. 81 Jun. 2014 16H・D・ソローが『ウォールデン 森の生活』(今泉吉晴訳、小学館)で示唆した散歩のほんとうの意味とは何か。散歩をとおして見えてくるものとは。私たちは歩くことで、変貌する自然やまちの今を記録し、フィールド・ミュージアムのたのしみを報告していきます。第24 回ムササビの子育て用の巣箱をつくりたい。そう思ったのは、2008年のことです。本学のフィールド・ミュージアム構想も、都留市の石船神社でのムササビの保護活動が発端となりました。それ以降も、ムササビは私たちフィールド・ミュージアムの象徴的な存在です。巣箱は動物の安心空間  ムササビは私たちの身近に暮らしているとはいえ、その生態はまだ多くの謎が残されています。たとえば母親はどのように子育てをしているのか、子どもはどのような空間で成長していくのか、など詳しいことはほとんどわかっていません。 そこで、子育てができる巣箱をつくり、みんなで観察することでその謎の暮らしぶりを少しでも明らかにしたい、と考えたのです。 けれども、ムササビが子どもを産むのにふさわしい巣箱をつくるのは簡単ではありません。子どもを産み、育てる場所は、どの動物にとっても大切な空間です。天敵からも身を守らねばなりません。何より安心できる空間が必要になります。オランダの動物園長だったヘディガーは、動物園で動物が繁殖できるかどうかが、その動物が安心しているかどうかの尺度になる、と述べています。 まず、どのようなサイズの巣箱がムササビにとって安心できるのでしょうか。私にはまったく見当がつきませんでした。これまで森にいくつものムササビ用巣箱をかけても、子育てをした巣箱は一つもありません。もしかすると、これまでつくっていた巣箱はサイズが小さすぎたのかもしれません。きっと安心して子どもを産み育てたくなるような巣箱のサイズがあるはずです。子育て用の巣箱をつくる  手がかりは意外なところにありました。都留市の民家の屋根裏に置いてあったミカン箱─段ボールでできています─でムササビが赤ちゃんを産み、育てたという記録があり、そのときのミカン箱を大学で保存していたのです。このミカン箱のサイズを測ってみると、45㎝ ×45㎝ ×60㎝ありました。さらに、出入り口として直径8㎝ほどの穴を円形にか巣箱づくりの試み北垣憲仁(本誌発行人)=文・写真ムササビが子育て用として使用したミカン箱